【モンゴル旅2024 #8】”MCC”の特別プログラム「教室紹介」
いよいよ始まりました、「モンゴリアンコントーション・コンベンション」、略してMCC!
今回は第2回目の開催。そして、モンゴル、ウランバートルでは初めての開催ということで、モンゴリアンコントーションの本気をいろいろなところで感じましたよ。
まず、参加人数がめちゃくちゃ多い!500名…いや600名くらいいたのでしょうか。参加者の9.8割がモンゴル人。とにかく今までの比じゃなかったです。
さらに、これまでのコントーション・コンベンションになかった、様々なプログラムが用意されていました。
これまでのコンベンションではワークショップとショウの2つくらい。とてもシンプルな内容だったのですが、今回は、これまで参加しなかったモンゴル人コントーションやサーカス関係者が一堂に会するということで、特にご年配の方々が、「若い世代のコントーション指導者たちやコントーションッ子たちに伝えたいこと」をテーマに、ご自身の専門についていろいろな話をする機会が設けられていたのです。
「コントーション指導者のための、コントーション指導方法について」、
「プロのコントーショニスト(コントーションのパフォーマー)として、長くステージに立ち続けるにはどうすればよいのか?~身体のケアとコンディショニングについて~」、
「モンゴルサーカスの歴史と現在」、
「コントーション指導者が知っておくべき保険の話」などなど、十分すぎるほど貴重なお話が溢れていました。大変勉強になりました。
さらに今回はモンゴル開催ならではの、特別なプログラムが用意されていたんです…!
何かといいますと…
■モンゴル国内のコントーション教室の紹介
なんと、モンゴル国内に40ほど存在するといわれているコントーション教室の皆さんが、それぞれご自身の教室を紹介してくださるという前代未聞のステージプログラム!
各教室の代表の指導者がマイクを握り、生徒たちをステージ上で紹介しながら、
「こんにちは。〇〇コントーション教室の〇〇と申します。
私の教室では、5歳から受け入れています。
現在、5歳から18歳まで50名ほどの子どもたちが在籍しています。
それでは、実際に普段の練習の様子をお見せします。
まずは初級クラスのウォーミングアップから、お見せしますね」
と、丁寧にご自身の教室についてお話されるのです!
先生のお話に合わせて、子どもたちが舞台袖からワァーッと出てきたかと思うと、キチッと列をつくり、うやうやしくお辞儀をして、いっせいに曲がり始めるではありませんか。
先生がお話を続けます。
「初級クラスの子たちは、初めて1年ほどの子が多いです。なかには、まだ数か月の子もいます。
やどかりや倒立、バランスのポーズをいくつかつなげて、曲をかけながら一斉に行っています。
こんなふうに…。まだちょっと、上手くできない子もいますが、なにとぞご容赦ください。
みんな、よくできましたね。お辞儀をして、下がって良いですよ。
次に、上級クラスの子たちの練習をご紹介します。
彼女たちは4~5年学んでいます。倒立バーの上での片手倒立や、”セルウェー”(組み技のひとつ。土台役の者の首に、上に乗る者が手を置き、倒立する)などの技を全員が習得しています。
コントーションを4~5年学んだ子というのは、このレベルにあるべきという私の考えがあるからです。
そしてー…」
なんて贅沢なプログラムでしょう!?
各指導者が、ある意味、自分の手の内を明かし合うとは…!驚きました。
こんな機会が、いまだかつてあったでしょうか?
最後に質疑応答の時間も設けられていました。
とてもオープンで、建設的な場でした。
ある意味ショウよりも興味深かったです。なかなか見られないものだと思います。
ひとつの教室につき20分ほど紹介が続き、終わると次の教室の指導者へマイクがつながれていきました。
いや~、面白い!!
終始、食い入るように見てしまいましたよ。
こういった機会は、コントーションに限らず、あちこちの界隈で設けられるとよいですよね。
「自分の手の内をライバルに明かすだなんて…!考えられない」と、皆さんはじめは抵抗があると思いますが、指導者にとっても生徒たちにとっても良い結果につながることと感じました。
みんなとってもかわいいのですが、どのお教室も非常にレベルが高い…!
低いところがありませんな…!
さすが軟体大国、モンゴルです。おそるべし。
次々と続く、モンゴルのコントーション教室紹介。お次は、モンゴリアンコントーション界のレジェンド、ノロヴサンボー先生のお教室。
しかし、ここでひとつ、運営への不満がー…。
イベントのプログラムのスケジュールがどこにも明記されていないのです。つまり、いつ、どこで、何が行われるのかがわからないのです…。一応、公式サイトに全体の流れは書いてあるのですが、細かなところまでは書いていないのと、変更点があってもアップデートされません。スケジュールについて、どこを見ればよいのか、誰に聞けばよいのかもわかりません。
会場内に一か所、スケジュールを書く、変更点があったら更新する場所があれば、わかりやすかったです。そして、担当者もひとり決めておく。モンゴル語だけでなく英語表記も併記する。次回MCCの開催が決まったら、アンジェリークさんに言ってみよう。(「じゃあモーコ、あなたがそれやって」と言われるかな!?)
だから、とにかく朝から晩まで劇場にいとくんですね。突然何かが始まってもすぐに行けるように。とにかくすべてのプログラムを取りこぼさないように。
このときも、「今日はノロヴサンボー先生の教室紹介がある日だ…ドキドキワクワク♪それにしても、もう予定の時刻を過ぎているのに、なかなか始まらないなぁ…。押してるのかな?まぁ何時から始まるのかわからないけれど、会場に座っておけばそのうち始まるだろう」と観客席にじっと座っていたのですよ。そこをたまたま通りがかったモンゴルの方が「モーコ、ノロヴサンボー先生の教室紹介、始まっているよ!見に行かないの?絶対見た方がよいよ!」と声をかけてくれて、「えーっウソ!もう始まっているって!?」と慌てました。「だって、教室紹介の会場はココでしょう?」と尋ねると、「場所が変更になったみたいだよ。上のフリースペースでやってるよ」とのことで…。半べそかきながら急いで移動。日本人チームにも声をかけました。
そのときのイメージ画像をAIに作ってもらったのがこちら。
うーん…なんかちょっと違います。席に座っているのが私なのですが、汗?涙?どちらにしよ、かき方が不快ですね。そして下の歯、2列ありません…?妖怪やん。
あ~、惜し…くない!なんか遠くなった!違う違うよ…まぁ生成AIはおいといて。
なんとか間に合いましたが、半分ほどは見逃してしまいました。
とはいえ残り半分は見ることができたので、良しとします。
ノロヴサンボー先生のお教室は、2011年に見学させていただいてから今回が2回目。
1948年生まれの先生(モンゴルサーカス百科事典より)。普段は杖をついてゆっくり歩いていらっしゃるのですが、ひとたび指導となると、背筋を伸ばして子どもたちの間をシャキシャキと移動し、ときには杖を放り投げて生徒の身体を支え、「しっかり曲がりなさい」「ここに力を入れなさい」「背中の、この部分を使いなさい」と指導されていました。そのお姿には感服するばかりです。
コントーションの指導者はご高齢の方でも姿勢がよく、立ち姿がシャキッとしていてお元気な方が多い気がします。
心なしか、ノロヴサンボー先生の教室紹介のときは、周りを囲むほかの教室の先生や生徒、そして保護者たちも緊張した面持ちで、空気がピリッとしていましたね。
大変貴重なことです。貴重なことには変わりないのですが、「感想は?」と聞かれると、嬉しかったでもなく、勉強になった、でもなく…
自分がこの場に居る、ということがなんだか不思議な感覚でした。
《続く》
これまでの【モンゴル旅2024】
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お楽しみいただければ幸いです
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