サーカスを訪ねるラスベガス05《モンゴリアン コントーション大会》レポ3
MCC初日のワークショップの続きです。
そもそも今回、私もーこが生徒2名を連れて行こう、と思った理由は主に2つありました。
ひとつは、生徒たちの中から、毎日の練習の大切さを理解し、きちんと練習を積んで、将来はプロを目指したいという若者たちが出てきたから。
もうひとつは、今回のイベントは、自分が学び、そして指導しているモンゴルコントーションの礎を築き上げた著名な元コントーショニストたちが主催しているからです。
私はかれこれ15年以上コントーションの指導を続けているのですが、ここ日本で、日本人の私がモンゴルコントーションを指導するときはいつも「果たして、自分が教えていることは本当に”モンゴルコントーション”なのだろうか?間違ったことを教えてはいないだろうか?」という問いがつきまといました。
コントーションのことをそもそも知らないひとたちばかりのこの島で、コントーションじゃないことを行ったとして「これがモンゴルのコントーションです」と不適当なことを言ったとしても、多くのひとは確かめようがないわけです。
「モンゴルから学んだ宝ものを正しく伝えないといけない」
そのために、ひと一倍勉強を続けないと、と思いました。
そう心に決めたものの、はじめはわからないことが多かったのも事実です。
わからないことにぶち当たるたびに、モンゴルの師オトゴー先生に都度SNSで連絡をとったり、モンゴルまで会いに行ったりして「これで合っていますか?」と尋ねては教えてもらったりしました。
そんな私にオトゴー先生は、いつも惜しみなく教えてくださいました。
少しうまくいったかと思ったら、失敗。それでも続けてみて、うまくいくような兆しがあったかと思ったらまたダメで…。試行錯誤の繰り返しでした。そもそも、少しうまくいくくらいのレベルでは、モンゴルコントーションの足元にも及びません。
必死で本物になろうとしているマガイモノ。
そんな感覚が常にありました。
それでも続けてきました。
だから今回の MCCは、『自分がこれまで行ってきたことが”本物”たちの目にどう写るのか!?』
自分にとっては試される場だと思い、臨みました。
結果―
ひとつめのワークショップ、オンダルマーさんの指導を受けた際、日本から連れていった生徒たちはいくつかの柔軟系のポーズ、倒立、片手倒立などをやるよう指示されました。
指示されたとおりに見せたところ、オンダルマーさんは驚いた表情で、興奮した様子で少し声を荒げてこうおっしゃいました。
「あなたたちは、モンゴルコントーションの正しい指導を受けている。基礎を正しく習得している。もーこ、あなたが教えたの?まさにこれが、モンゴルコントーションです。
どうしよう、私が教えることは何もないわ。ほかの指導者たちに見てもらいましょう」と言っていただいたんです。
とても嬉しかったですねぇ…。
胸がじーんと熱くなりました。
さらに、オンダルマーさんは私の生徒たちに、
「あなたたちは先生に恵まれてよかったね。コントーションというのは、誤った指導を受けると上達しないから…」とも言ってくださいました。
これは、私の師のオトゴー先生もよくおっしゃっていたことです。
《続く》
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